医療費にかかるお金で困らないための日ごろからの備え

医療費を節約することはできる?工夫することで抑えられる医療費

毎月の家計を見直したとき、意外と大きな負担になっているのが医療費です。病気やケガの治療は必要不可欠ですが、受診の仕方や日頃の習慣を少し工夫するだけで、無駄な出費を減らすことができます。医療費を抑えるには、大きく分けて「受診時の工夫」「薬代の見直し」「制度の活用」という3つの視点が重要になります。

特に高齢になると通院の機会が増えるため、一回あたりの金額は小さくても積み重なると大きな支出になります。また、現役世代でも家族全員の医療費を合計すると、年間でかなりの金額になることも珍しくありません。

受診するときに気をつけたいポイント

病院にかかる際、ちょっとした心がけで医療費を減らせる方法がいくつかあります。まず大切なのは、健康保険証を必ず持参することです。うっかり忘れてしまうと、その場では全額を自己負担しなければならず、後から手続きをして払い戻しを受ける手間がかかります。

かかりつけ医を決めておく

日頃から相談できる「かかりつけ医」を持つことは、医療費の節約につながります。いつも同じ医師に診てもらうことで、自分の健康状態を継続的に把握してもらえるため、適切な治療やアドバイスが受けられます。また、大きな病院を受診する必要が出たときには、かかりつけ医から紹介状を書いてもらえば、特別料金を払わずに済みます。

実は、200床以上の大病院を紹介状なしで受診すると、初診で5,000円以上の特別料金が加算されてしまいます。この料金は保険が効かないため全額自己負担です。まずは近所のクリニックで診てもらい、必要に応じて大きな病院へ紹介してもらうのが賢い選択といえます。

診療時間内に受診する

診療時間外や休日、深夜に受診すると、時間外加算が発生します。たとえば平日の夜間(18時~22時)なら650円~850円、休日なら1,900円~2,500円、深夜(22時~6時)になると4,200円~4,800円もの加算が上乗せされます。緊急でない限り、平日の日中に受診することで、こうした追加費用を避けられます。

時間帯 初診での加算額 再診での加算額
時間外(平日18時~22時など) 850円 650円
休日(日曜・祝日) 2,500円 1,900円
深夜(22時~6時) 4,800円 4,200円

急な発熱や痛みで焦ってしまうこともありますが、症状が軽い場合は翌日の診療時間まで待つことも検討してみてください。

薬代を見直して継続的に節約

通院とセットでかかってくるのが薬代です。こちらも工夫次第で大幅に削減できる可能性があります。

ジェネリック医薬品を選ぶ

ジェネリック医薬品は、新薬の特許が切れた後に他のメーカーが製造する薬で、効き目は新薬とほぼ同じながら価格は半額程度です。医師に処方してもらう際や、薬局で薬を受け取る際に「ジェネリックでお願いします」と伝えるだけで切り替えられます。長期的に服用する薬がある方なら、年間で数万円の差が出ることもあります。

お薬手帳を活用する

薬局で薬をもらうとき、お薬手帳を持参すると「薬剤服用歴管理指導料」が安くなります。手帳を持参しない場合は530円(3割負担で160円)ですが、持参すれば410円(3割負担で120円)となり、40円の節約になります。わずかな金額に思えますが、毎月薬をもらっている方なら年間で数百円の差になります。

また、お薬手帳を一つにまとめて、薬局も決まった場所を利用することで、複数の医療機関で同じ薬が重複して処方されるのを防げます。薬の飲み合わせもチェックしてもらえるので、安全面でもメリットがあります。

制度を使って負担を減らす

日本には医療費の負担を軽くするための公的制度がいくつも用意されています。知らないと損をしてしまうので、ぜひ覚えておきましょう。

高額療養費制度を活用する

入院や手術で医療費が高額になったとき、月ごとの自己負担額に上限を設ける制度が高額療養費制度です。たとえば年収約370万円~770万円の方なら、月の上限は約8万円です。それを超えた分は後から払い戻されます。

ただし、いったん高額な費用を立て替えるのは大変です。そこで便利なのが「限度額適用認定証」です。事前に健康保険に申請して発行してもらい、病院の窓口で保険証と一緒に提示すれば、最初から上限額までの支払いで済みます。入院が決まったら早めに手続きしておくと安心です。

医療費控除で税金を取り戻す

1年間で家族全員の医療費が10万円を超えた場合、確定申告をすることで所得税の一部が戻ってきます。これが医療費控除です。通院のための交通費や、ドラッグストアで買った風邪薬なども対象になるため、領収書をしっかり保管しておきましょう。会社員の方でも、自分で確定申告をする必要があります。

また、市販薬を一定額以上購入した場合に使える「セルフメディケーション税制」という制度もあります。こちらは年間1万2,000円を超えた分が控除対象になるため、医療費控除と比べて使いやすい場合があります。ただし、医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できないので、どちらが有利か計算してから選びましょう。

健康管理が最大の節約

医療費を減らす一番の方法は、そもそも病気にならないことです。当たり前のようですが、日頃の健康管理こそが最も効果的な節約になります。

健診を定期的に受ける

自治体や勤務先の健康保険組合では、健康診断やがん検診を無料または少額で受けられる制度があります。病気は早期発見できれば治療費も期間も少なく済むため、積極的に利用しましょう。また、インフルエンザの予防接種にも助成がある自治体が多いので、確認してみる価値があります。

生活習慣を見直す

バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠といった基本的な生活習慣は、病気の予防に直結します。特に高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、日々の積み重ねで防げる部分が大きいものです。将来の医療費を考えれば、今のうちから健康的な生活を心がけることが、長い目で見て大きな節約につながります。

小さな工夫の積み重ねが大切

医療費の節約は、一つひとつは小さな金額かもしれません。しかし、かかりつけ医を持つ、ジェネリック医薬品を選ぶ、お薬手帳を持参する、時間外受診を避けるといった習慣を続けることで、年間では数万円の差になることもあります。また、高額療養費制度や医療費控除といった制度を知っておくだけで、いざというときの負担を大きく減らせます。

何より大切なのは、日頃から健康に気をつけて、病気を予防することです。医療費の節約を意識しながら、健やかな毎日を送りましょう。

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